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横たわる漱石(よこたわるそうせき)は、蓮實重彦が夏目漱石の小説を分析する上で取り出したテーマの一つ。漱石作品の主人公たちがとる「仰臥」の姿勢こそが、物語やそれを紡ぐ言葉そのものを生み出しているというもの。 ==概要== 『我輩は猫である』の苦沙弥先生はいつも「我輩と同じくらい昼寝」ばかりしていると飼い猫は語っている。「坊ちゃん」が手紙を書くときも、『草枕』の画工が詩を認めるときも、まず彼らは「寝転がる」のである。そういった構造は漱石最後の作品である『明暗』でも変わりはない、と蓮實はいう。病に「伏せる」主人公の代介のまわりで、彼の妻や友人はとめどなく言葉を交わしあうのだ。「横たわる」のは何も大地の上に限るわけではなく、たとえば『こゝろ』の私と先生は水の上で出会い、そして波のうえで「仰向けに寝る」。 漱石の主人公たちが「横たわり」、「居眠り」をするとき、なぜか他者が彼らに接近し、あるいは枕元に現れ、言葉が生まれる。蓮實によれば、「横たわる」ことは漱石作品において、けして単なる疲労や病のモチーフではなく小説の言葉そのものと密接な関係を持ち、作品風土を形づくっているのである。なにもしないこと、冒険を放棄すること(蓮實はこれを反=冒険者的風土と呼ぶ)こそが逆説的に漱石作品の登場人物が世界と親密に戯れる態度の現われなのだ。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「横たわる漱石」の詳細全文を読む スポンサード リンク
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